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実績紹介

屋根・外壁の改修事例

鉄骨造共同住宅の外部修繕(設計監理)

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 鉄骨造の共同住宅の外壁・屋根の定期修繕に関わった事例をご紹介します。当事務所では依頼主様(建物所有者様)との契約により、設計監理者として関わりました。改修工事は糸井建築工房 糸井宏明様にて行いました。

1. 建物資料の確認

 依頼主様(建物所有者様)より、山梨県にある鉄骨造の共同住宅について相談をいただいたところから、このプロジェクトは始まりました。この建物は、定期的な修繕の時期を迎えているとのことでした。 建物所有者様は、建物の修繕発注業務を前任の方から引き継いだことを機に、今後の建物修繕発注や記録について、系統立てて整理した状態にしたいと希望されていました。そのため、当事務所にて、修繕発注にあたっての要件整理などを実施することとなりました。

 はじめに、改修工事範囲、長期計画のイメージを把握するため、所有者様より建物に関する書類、図面、修繕履歴に関する資料の提供を受け、内容を確認しました。約30年前に建設されたこの共同住宅については、大手住宅メーカーが規格化した仕様に基づいているためか、限られた資料が入手できるにとどまりました。図面は簡単な現地見取り図を除いて、残っていない状態でした。また、修繕履歴についても、特に明文化された記録は残っていなかったため、過去に作業をした関係者に聞き取り調査を行うという形で、情報を入手することとなりました。

2. 現地調査

 建物の現状を把握するため、確認すべき事項を一覧表にしたうえで、現地調査を行いました。 修繕工事の対象は外部のみとする方針に決まったため、確認を行った内容は、主に建物の外部に関するものとなりました。金属製の屋根、外壁、雨どいなどの状態を確認し、写真や用意した図面上へのメモによって記録しました。 この際に、建物の寸法や形状を後日図面上で再現するため、建物の高さや間口長さ、妻側壁の長さなど、主要部の寸法も採寸しました。

3. 改修計画案の作成

 今回の修繕項目は、主に屋根をはじめとする外部鉄部の塗装、外壁の弾性目地「シーリング」の更新、外壁サイディング材の塗装となるため、改修計画案の具体的内容としては、塗装やシーリングの材料費、労務費を拾い出すための面積・長さの算出と、そのための建物図面作成を行いました。 図面のみでは、見た目に理解しづらいため、現地の写真をレイアウトした資料をつくり、その資料をもとに関係者間でオンライン会議を行い、建物の部位ごとに現在の状況報告と、修繕が望ましい内容について提案を行いました。

4. 見積取得・見積調整・工事契約

 作成した改修計画案をもとに、施工会社様に見積を依頼し、提出を受けた見積書をもとに打合せを行って、工事内容を調整しました。 工事内容と工事金額について、依頼主様の承認を得られた後、依頼主様と施工会社様にて、工事請負契約を締結いただきました。

5. 修繕工事監理・竣工

 工事開始後は、色見本などを用いた打合せ、工事の進捗に応じた現地確認を行い、工事請負契約内容どおりに工事が行われたことを確認しました。

↑修繕前の屋根

↑修繕後の屋根

↑修繕前の共用廊下上裏

↑修繕後の共用廊下上裏