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実績紹介

Renovation of whole building建物全体の改修事例

木造一戸建て改修工事 その2 耐震性能を高める

この記事では、どのようにして耐震性能を高められるかという観点から、当事務所で設計施工を行った木造一戸建て改修工事の事例をご紹介いたします。

日本で一般的に広く行われている耐震性の評価方法としては、 まずその建物に必要とされる強さを計算し、次に壁の仕様・配置、基礎の仕様と健全度など、 建物の持っている強さを計算し、 分子を(建物の持っている強さ)、分母を(建物に必要とされる強さ)とした数字を算出する方法が採用されています。 この数字は、「上部構造評点」と呼ばれます。

この評価方法によりますと、今回の改修工事において、 改修前の建物の強さは、0.11という低い値になりました。 その主な理由としては、特に1階に、地震に耐えるための壁が少ないことと、2階の屋根が瓦屋根で、重量が大きいためです。 また、壁の配置のバランスが北側に偏っており、この点も建物の弱点となっています。

そこで、改修計画においては、主に1階に壁を増やす計画としました。 

↑この図は、リフォーム前の家の1階の壁の配置を示しています。赤い点は建物の重さの中心、緑の点は壁の総強度の中心を表しています。赤点と緑点が離れていると、地震で大きな力を受けたときに建物が壊れやすいことがわかっています。

↑そしてこの図は、リフォーム後の1階の壁の配置を示しています。柱や壁の数を増やすことに加え、赤と緑の点の位置をできるだけ近づけて、地震が起きても壊れにくくしています。

屋根についても改修できることになり、軽量化を図ることができました。 そのため、改修後の建物の「上部構造評点」は、0.73となりました。
可能なことなら1.0などを目指したいところですが、現実的には難しく、それは断念しました。

壁を増やす部分については、耐震用の壁パネルを取り付けることで、地震のときの水平方向の力への耐力を高めることとしています。 この写真は、耐震用の壁パネルの施工状況を撮影したものです。

 

外壁下地についても、耐震壁を兼ねる材料を採用しています。

上の写真は、耐震壁を兼ねた外壁下地を取り付けているところです。

改修前は窓が非常に多く、壁が少ない間取りでしたが、改修後は壁の量を増やし、耐震強度を高めています。

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