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住まいを快適にする断熱リフォームの事例紹介

真冬になると家が寒すぎて、暖房がききにくい。
石油ストーブやガスストーブを使うけれど、結露でカビが出てしまう。
このような現象は、建物の断熱リフォームによって軽減できます。

断熱リフォームを行う場合には、今の住まいの床・壁・天井・玄関ドア・窓などの中で、断熱が手薄な部分がどこかを調べ、
状況に応じて、断熱方法を決めるという手順で進めます。
リフォーム予算に応じて、断熱が手薄な部分を優先して対策を施す場合もあります。

例えば、住まいの窓に一般的に使われているアルミサッシは、アルミが熱を伝えやすい性質を持っているために、
冬に暖房した室内の熱をどんどん外に逃がしてしまい、断熱上の弱点になりがちです。

そこで、当事務所にて改修設計を行った、ある鉄筋コンクリート造のマンションの改修では、既存のアルミサッシを引き続き利用しつつ、樹脂製の内窓を設けました。
その断熱効果を真冬のある日に、数値で確認したところ、以下の温度を計測できました。

なお、対象とした窓は、西側の壁面に面しており、この日は曇りで日射による室温上昇はあまり見込めませんでした。
温度を計測した時刻は、午後15時頃でした。
このとき、室温は、エアコン1台を稼働させることにより、21.3℃となっていました。

まず初めに、外壁の表面温度を道路から計測したところ、4℃程度でした。

上の画像のうち左側の画像は、温度分布を色で分かりやすく示してくれる、サーモグラフィカメラを使用して撮影したもので、
右側は同じ範囲の実際の画像を示しています。
中央のマル印と、左上の温度表示により、この写真の中央付近の外壁の温度が、4.1℃または5.0℃であることを表しています。

次に、室内側から、樹脂製の内窓を開放した状態と、樹脂製の内窓を閉めた状態の2通りで、写真を撮影しました。

上の画像のうち左上の画像では、樹脂製の内窓を開けているので、外側のアルミサッシ表面の温度を計測しており、
一番温度が低い部分では7.3度であることがわかります。(濃い紺色の部分で、アルミの部分であることが分かります。)
また、中央のマル印の部分は、ガラスの部分ですが、10.0℃ということが分かります。

一方、左下の画像では、樹脂製の内窓を閉めた状態で、樹脂製の内窓の表面の温度を計測しており、一番温度が低い部分では、15.0℃ということがわかります。(濃い紺色の部分です。)
また、中央のマル印の部分は、ガラスの部分ですが、18.9℃ということが分かります。

まとめますと、

外部アルミサッシの室内側表面温度7.3~10℃
樹脂製内窓の室内側表面温度15.0~18.9℃

となっていることが分かりました。

この窓のすぐそばにいる人にとって、7.3~10℃ で冷やされるのと、
15.0~18.9℃で冷やされるのでは、その快適さの度合いには大きく差があります。
なお、人の健康に悪影響のない室温の一つの目安として、19℃程度以上を保つことが望ましいという意見を目にしたことがあり、
確かに19℃程度の室温であれば、それほど極端に厚着をしなくても、快適に思われます。

断熱工事内容の事前検討手法には、光熱費のシミュレーションソフトを使う手法、気密性の測定など、様々な手段を
状況に応じて利用することが望ましいのですが、このように、現状を数値で確認することも、有効な手法の一つであるといえます。

この事例では、樹脂製内窓が戸外の寒さから室内を守り、8~9℃程度、窓の室内側表面温度の低下を防いでくれていることが分かります。

 家が寒くて過ごしにくい、結露に悩まされている、という方は、このように、断熱リフォームによって室内を快適にできる可能性があります。
リフォームの機会があれば、断熱リフォームもぜひ、ご検討されてみてはいかがかと思います。

 

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